ワウの波形

音質補正が必要かどうかは、どのような録音状態であるかで判断します。

背景ノイズが多い録音では、背景の音を切り取る必要があるでしょうし、マスキング効果を狙ってマイクを近い位置に置いて録音した場合の「ポップやブロー」の場合も、これを軽減する必要があるかもしれません。

一番問題となるのはカセットテープによる録音です。カセットテープの録音レベルが「−0dB」付近で良好な録音状態でも、無音部分の測定(キャリブレーション)をしますと、「−45dB」程度の数値が出ます。ましてや、「−10dB」程度の録音となるとその差は「35dB」しかなく、適切な状態にレベルを上げると「シャーッ」とテープヒスが聞こえます。絶望的な録音状態といえます。

上記のような録音の場合は、「音質補正」を施しても効果は期待できないようです。やはり、ソースの録音が一番大切です。補正には限界があります。

では、何に効果的か? カセットテープにはワウ・フラッターといって「回転ムラ」が録音されています。数ヘルツ(Hz)の低い周波数で、ピンチローラーのゴムの劣化やクリーニング不足で起こります。半数の録音はこの状態と考えていいかもしれません。これをEQ(グラフィック・イコライザー)で少なくします。キャリブレーションのノイズの値を小さくすることができます。

また、元の録音の訂正部分など、録音レベルが大きく変動している場合には、その個所だけ指定をして、ボリュームを上げ下げしてやります。「数dB」の調整で十分でしょう。

あるところでは「カチッ」という操作音や口中音が記録されていて気になる個所があるかもしれません。DAR3のSmil Editor(音声エディター)で削除するか、波形編集ソフトでmuteします。ただし、カセットのテープヒスを多く含んでいる録音の場合は、ボリュームで少しだけ低くするに止めた方がよいでしょう。

波形編集ソフトによる補正のノウハウは別の機会にゆずりますが、必要最小限の音質補正はする必要があるでしょう。使いやすい波形編集ソフトを選んでおくことをお薦めします。